対談@090218

第13回:エリートコースの崩壊

リン: これについては、ちょっと聞きたいんですよ。台湾人が日本人に対するイメージですね、すごい組織を大事に重視して、会社に入ったら一生の保障がつく。これは台湾人からのイメージだけではなくて、確かに日本人もそういうイメージもあるんですね。渡辺…

第12回:教育はどう変わる(下)

リン: スピンアウトというと、実際うちの、全力出版で作品を発表するマンガ家の子の中で、高校中退の子がいるんですよ、張季雅という女の子で。季雅ちゃんは頭が非常に良くて、実際も優等生、高校ではその地域の第一志望校の文科系、文系の成績上位クラスに…

第11回:教育はどう変わる(上)

渡辺: 組織の全てを憎んでいるわけではないんですが、大きくなって古くなって害になってしまった組織に、個人として、きちんと対峙しなくちゃとは思っていまして……あ、今言って気付きましたが、これって、村上春樹さんの発言のパクリですね(笑)。この間、村…

第10回:楽して儲けるスタイル?

リン: あ。無一文というと、そろそろ渡辺さん自身のことに入ろうかな、と思いますが。なんと言えばいいのだろう、今までは……えっと、どれくらいしゃべったんですか、一時間ぐらい?一時間以上もしゃべってて、まだ渡辺さんが素性不明なんですよ。渡辺: あ…

第9回:「宅経済」のグローバル化(下)

これから文中に出てくる「チョコちゃん(chocolate巧)」です。多才で台湾の同人界隈ではかなり有名なコスプレイヤーでもあります。この写真は本人の許可を得て、自主制作のフォトコレクションDVD『Fantasy Earth Zero:chocolate』から引用したものです(リ…

第8回:「宅経済」のグローバル化(上)

リン: でも私にはこの理論に、ちょっと反論したい部分もあるんですね。結局、密室はやっぱり、場所としてあるんですね、現実のどこかで。だから、同じPS人なんですけど、なんというかな、思考の骨組みが似ていて、その骨についてある肉は違うはずのでしょ…

第7回:中国の強さとは(下)

渡辺: 僕の同年代の、つまり40代の日本人男性は中間管理職のサラリーマンが多いのですが、そういう人達に中国のコンテンツビジネスはきっと面白くなっていくと言ってもなかなか通じません。「どうせパクリばっかやってるんだろう」とか、「中国産のものなん…

第6回:中国の強さとは(上)

渡辺: 会社作って大きくして株式公開して自社ビル建てて、というようなダイナミズムじゃなくて、いきなり個室から世界につながるみたいなことになった時に、なんかやっぱりそっちでの面白いことがいっぱい起こると思うんですけど。アジアで、そういうことが…

第5回:台湾から見る世界の今(下)

渡辺: 世界的にも、重工業の発展が頭打ちになった時代ですし。リン: 90年代をまたがる李登輝時代は、民主化とか本土化とか、総統の民選を推進した政治的に評価されることが多いですが、自分もそれを否定するつもりはないんですけど、あの時期はまったくと…

第4回:台湾から見る世界の今(上)

渡辺: 折角ですので台湾の現状と近未来についてお聞きしておきたいのですが。これまでのことを振り返ると、台湾には、中国だった時代と、日本だった時代があるわけですよね。そして20世紀の中頃、中国で革命が起きた際に、政府主流派の人々が南京から逃げ延…

第3回:進化する個人、そして社会

リン: 「ひらきこもり」とは渡辺さんは本の中で「部屋にひきこもりながら、世界とつながり、自己実現していく生き方」というふうに説明されていますが、その独特のライフスタイルが可能になったのは、インターネットを軸とするデジタルメディアの普及がある…

第2回:経済現象か、文化現象か

渡辺: リンさんは、お父上の出資を受けて出版社(全力出版)を経営しているわけですよね。ビジネスのバックグラウンドのもとで、コンテンツプロデュースを行っている。リンさんの立ち位置がすごく面白いと思うのは、そこから経済と文化の両方が良く見えてい…

第1回:「おたく」と「宅」は同義語ではない?

リン: 林依俐(りん・いり)です。台湾の編集者で、全力出版の主宰でもあります。よろしくお願いします。渡辺: 渡辺浩弐(わたなべ・こうじ)です。日本で小説家をやっています、よろしくお願いします。リン: 今回は、渡辺さんがずっと提唱されている「ひ…